Mさん(仮名・36歳女性・宮城県・専業主婦・幼児1人)から届いた話。
『主婦OK・登録料のみで案件多数』のInstagram広告。15万円の初期登録費を払った後、案件は一件も降りてこなかった。
「『登録料のみ』という言葉が、追加課金は無いという意味だと、信じていました」
専業主婦、幼児の育児中
Mさんは、夫がサラリーマン、3歳の子と3人暮らし。仙台市内、世帯年収は約500万円。育児中で、フルタイムでの仕事復帰はまだ先の予定。
「育児の合間に、月3〜5万円でも収入があれば、と考え始めていた時期でした」
Instagram広告、『登録料のみで案件多数』
2025年の冬。Mさんは、Instagramの広告で、副業マッチングサービスの案内を見つけた。
キャッチは、「主婦OK・登録料のみで案件多数・在宅完結」。動画には、30代の女性が登場、自宅で穏やかにPCを操作している姿。
「『登録料のみ』という訴求が、追加課金がないことを意味する、と受け取りました」
無料説明会、運営担当者との個別面談
Zoom無料説明会、参加者約20名、女性が中心。最後の20分で個別面談の案内が出て、Mさんは追加面談を予約。
個別面談で、運営担当者から提示されたのは、こうだった。
「登録料15万円で、運営が提携する企業からの案件を、優先的にマッチング。1案件あたり3〜5万円、月3〜5案件が平均」
「月15万円が実現する計算でした。3か月で初期登録費は回収、と説明された」
15万円、家計のへそくり
Mさんは、独身時代の貯金から15万円を捻出。夫には事後報告。
登録後3か月、案件はゼロ
登録後、運営のマッチングシステムでは「あなたに合う案件をお探しします」のステータスが、3か月続いた。具体的な案件の連絡は、一件も無い。
運営LINEで状況を相談すると、回答は、こうだった。
「現在、企業側の案件選定が混み合っています、もう少しお待ちください」
3か月後、Mさんは登録解除の連絡を入れた。返金規定は「初期登録費は返金不可」となっていた。
同じ広告の被害者連絡会、参加者約80名
Mさんが、Instagram上で同じ広告を見た人を検索すると、SNS上で被害者連絡会が形成されていた。参加者は約80名、ほぼ全員が「3か月待っても案件ゼロ」と報告していた。
「『運営の提携企業』が、実態としてほぼ存在しなかった、というのが連絡会の見立てでした」
消費生活センター、現在交渉中
Mさんは、宮城県消費生活センターに相談。特商法不実告知のルートで、約3万円返金で和解の方向。
「夫に告白した時、『次は必ず家族会議をしてから』と約束しました。15万円という金額は、家計から見れば小さくない損失です」
取材の最後に
「同じ立場の主婦の方に伝えたい。『登録料のみ』『提携企業多数』──このキャッチは、登録料を取るためのフックです。本物の副業マッチングサービスは、初期登録費を取らず、案件成立時の手数料で運営しています」
振り返り:3つの教訓
1. 初期登録費が必要な副業マッチングは、構造的に警戒すべき。本物のマッチングサービスは、案件成立時の手数料で運営する。先に登録料を取る時点で順番が逆だ。
2. 『提携企業多数』『案件多数』の訴求は、具体的な企業名・案件数の開示が無い場合、虚偽広告の可能性が高い。
3. 専業主婦の独身時代の貯金は、家計のへそくりに見えても家族の将来資金。15万円の判断でも、夫や家族と相談したい。